80年代初頭、雷魚とナマズくらいしかルアーの対象魚が認識されていなかった中学生にあって、釣り仲間の一人がダイワの「ダンサー」というスプーンでオーガイ(丸太)を釣ったと聞いて、私は俄然、海でルアーを投げたくなったのでした。
オーガイがマルタウグイだと知ったのはそれからずっと後のことです。
仙台湾のマルタウグイ(オオガイ)はどこで産卵しているのだろう。
マルタウグイは川の中流の瀬で産卵しますが、松島湾周辺にそんな川ある?
毎年、4月〜5月は東京都と神奈川県の境界を流れる多摩川の二子橋近辺の瀬ではマルタウグイの産卵の光景が見られます。
瀬の中で背ビレが水面から出る勢いでバシャバシャやっています。
私の故郷の宮城県ではマルタウグイのことを『オオガイ』と呼びます。
『オオガイ』って『ウグイ』がなまった結果?それともその逆?
私の仮説。
ウグイ→ウウグイ→ウオオグイ→ウオオガイ→オオガイ
または、『オオガイ』が最初で、最終系が『ウグイ』
ちなみに、私の父の世代の海辺育ちの人は、もっとなまっていて『おーげぇ』となります。
あくまで、これは仮説でやんす。
話は戻りますが、多摩川の瀬で産卵行動するマルタウグイの光景を見て、ふと思った事は、私が育った松島湾、塩釜、七ヶ浜周辺で釣れるマルタウグイはどこで生まれたのだろうか?という疑問です。
塩釜港や七ヶ浜の漁港でシーバスフィッシングをしているとマルタウグイが釣れます。
しかし、マルタウグイが産卵するような石底の瀬のある清流を上流・中流を持つ川はこの辺りにあるか?
地図を見てみると、砂押川、高城川がありますが、砂押川は用水路の水が集まってできたような川でマルタウグイが産卵するような瀬はありません。
高城川も人工的に引かれた川で、瀬はないと思います。
少し範囲を広げると、北側には鳴瀬川、南側には七北田川、名取川(支流の広瀬川も)があり、マルタウグイの遡上、産卵が確認できます。
これらの川で生まれたマルタウグイが仙台湾に降海し、松島湾に入り込んでくるのでしょうか。
マルタウグイは自分の生まれた川でない川にも侵入?
私が子供の頃(70年代〜80年代初め)は砂押川の河川内の汽水域で小型のマルタ(オオガイ)が釣れました。
しかし砂押川は泥質で当時、遡上不可能な堰もあり、瀬などなく産卵場になるような場所はなかったと思います。
推測ですが、鳴瀬川、七北田川辺りで生まれたマルタの稚魚が松島、七ヶ浜辺りにも広がる。そして自分が生まれた川でなくても入っていく。
といったところでしょうか。
鯉科の魚にも、サケやマスのように生まれた川を忘れない能力はあるのでしょうか?
そこがまた疑問です。