フライフィッシングを始めてしばらく経った頃の話です。
多摩川中流辺りに住んでいる私は、自分の住んでいる場所から、西へ向かって順番に、上流部が渓流になっているであろうと思われる川を、フライロッドを持って尋ねてみようという、計画を立てました。
その頃はまだ、スマホを持っておらず、インターネットの地図と航空写真を見ながら、夢を巡らせるのが楽しい時間でもありました。
ネットサーフィンをしながら、「この川は釣行記を書いている人がいないけれど、地図を見ていると渓流になってるようなんだけど…。」
釣行記が無いような、小規模な渓流こそ、実は人知れず楽しい釣りをしているのに違いない!
オラが、それを確かめに行くのだ!
釣りに行けない時は、そんな気持ちでワクワクしながらパソコンのモニターと睨めっこしていました。
秦野の葛葉川に、きっと夢ポイントがあるはずだ!
地図を見ながら、小田急線で行ける、山奥まで続いていそうな川を見つけました。
その名は『葛葉川』。
誰も釣行記などネットに載せていない。
わずかに出てきた釣りに関するページは、役所の釣りクラブのメンバーが葛葉川にヤマメを放流したという記事があったくらい。
しかし、沢登りの入門コースだというような記事はずいぶんと出てくる。
ということは、豊富な水量のある渓流が山奥にあるに違いない。そして幻の渓魚が潜む滝壺が…。
そう、踏んだ私は、胸を踊らせ始発電車で出かけたのです。
美しい葛葉渓谷
秦野駅から国道246号線を超えて葛葉川上流へ向かいました。
東京近辺で生活していると「246」と「渓流釣り」は、どう考えてもリンクしません。「246」のイメージは「青山通り」みたいなイメージなのでここではとても新鮮でした。
しばらくすると、大きな森のような所に着きました。看板を見ると、そこは『葛葉渓谷』というらしかった。
もう、渓流と呼んでもいい所まで来てしまったのか!246からそう遠くない所なのに!
森の中へ入っていき葛葉川に降りて行くと、そこはまさに渓流!東北のどこかの静かな森の中の川のようでした。
早速、タックルをセットした私。電車釣行の為に購入したマリエットパッカー4ピース4番ロッドにヘアーズイヤーニンフと発泡スチロールのインジケーターというビギナースタイルです。
フライで、葛葉のウグイをゲット
川の流れを見ると結構な魚が泳いでいます。しかし、私のフライには全然食いついてくれません。
途中の小さな堰堤でウグイがヒットしました。ビギナー同然の私には、ウグイでも釣れれば楽しい。そして、ヤマメへの期待が膨らみます。
森の木漏れ日が気持ちいい。足元には、見知らぬ生き物の足跡が沢山付いていました。「野生のシカでもいるのか?」
私は、かなり山に近い渓流にいると思い始めていました。
そのまま、葛葉渓谷の中を釣りあがって行くと、なんだか風景が変わって来ました。
ん?おかしいぞ?
さっきまで、東北の渓流のようだったのに…。
風景が、なんだか、住宅地の中を流れるドブ川チックな流れに変わってきたような…???
なんと、目の前に見えて来たのは、自動車教習所!!!
川も、三面護岸になっていて、街中の川と変わらない!下流の方が渓流ぽくて、上流がドブ川っぽいとは!少し匂いもする。フライロッドを振っている姿が、とてもミスマッチに感じられました。
これは、ヤマメどころの話ではないと、すぐ上にある道路に上がってウェーダーを脱ぎました。
結局、上流までハイキング
インターネットに釣行記が出ていないワケをその時、悟りました。
しかし、せっかく来たのだからと、葛葉川の上流まで見に行ってみることにしました。
結局、確認できる流れは、トンネルの中から水が出てくるような状態でした。
沢登りで有名な流れは、どこから入渓するの分からずじまい。 しかし、こうして、釣れる釣れないを自分でチェックして歩いた日々はとても有意義なものでした。
葛葉川へのヤマメの放流
葛葉川へのヤマメの放流は行われています。
市役所の釣り好きの職員さんやOBと、施設の利用者が毎年200尾を放流、しかも2015年の記事で、26年前からと書いているので、私が釣りに行った時は(2008年頃)、すでに放流していたことになりますね。
ヤマメが種を伝えられるほどの流れであってくれたら、とても素晴らしいことだと思います。
コメント
おはようございます。
釣れましたね。
おめでとうございます。
上流はまだ鮎釣りが可能です(笑)。
yuzvpapa223様
やっと釣れました!アドバイスのおかげです。
今年の2尾は、偶然引っ掛かった感は否めませんが、来年は、オトリルアーだったからこそ釣れたと確信できるくらいの数を釣ってみたいです。