ルアーを自作することは、楽しいものです。
男の子はみんなプラモデルを作るのが好きだ!
私は勝手にそう思っていました。
図工が得意なら、少年はみんな、ルアーを自作するのだ!
ルアーを自作しよう
男は誰でも工作好きと、勝手に思い込んでいる私ですが、実際はそうでもないようです。
ルアー少年なら、誰でも一度はルアーを自作したことがあると思いますが、あなたは、どんなルアーを作りましたか?
スプーン?プラグ?スピナーベイト?
私は最初、スプーンを作ろうと、カレーライスを食べるのに使うスプーンで『スプーン』を作ろうと思い立ったのですが、出来ることはカレースプーンの柄を折って、穴を開けることだけ。
デカイままのカレースプーンを縦に切る工具がなく、デカイままのスプーンにフックを取り付けた、『でかスプーン』が私の自作ルアー第1号です。かっこわり〜
アイになる穴を開けるだけでも相当苦労しました。金槌でガンガン叩いたり…。
それでもたぶん、釣れたはずですよ、ナマズだったら。(釣れませんでした)
釣りキチ三平の野ねずみルアー製作にチャレンジ
厚い食事用のスプーンを切るには、工事などで鉄パイプなどをカットする時に使う「サンダー」が必要でしたが、一般家庭にそんなものはなくスプーン作りは上手くいきませんでした。
しかし、往生際の悪い中学1年の私は、薄い鉄板でルアーを作ることを思いつきました。それは色鉛筆のケースや、肝油ドロップの缶です。この缶を金切りバサミで切って重ねて形を整えるのです。
当時流行っていた『釣りキチ三平』のイトウ釣りの回に出てきた、三平くんオリジナルの「野ねずみルアー」を、この色鉛筆の鉄のケースを切って作りました。エポキシで背中に背中のS字カーブも再現しました。
外見はとてもよく出来ましたが、ダメでした。鉄板を重ねても重量が出ませんでした。
(今にして思えば、裏に鉛を貼ればよかったかなぁと…)
ここでスプーンを作ろうという思考は終わりを告げました。しかしこの経験が十数年後に、板オモリを使ってジグを作るという発想へと進化していくことになります。
自然な流れでバルサミノー製作へ移行
小遣いの少ない貧乏ルアー少年にとって、ルアーをそんなに沢山所有することはできませんでした。シーバス釣りに使うために持っていたルアーは、ダイワのシーバスハンターとバルサミノーぐらいなものでした。
そこで、工作好きの血が騒ぎ、またまたシーバス用のルアーも自作です。高校時代、地元の砂押川でシーバスを狙うのは、最後の頃は自作のバルサミノーだけになりました。
この頃の、私の自作ルアーは表面のコーティングはなし。バルサに水性ホビーカラーの蛍光色を塗るだけです。リップは、プラ板をガスコンロで熱した糸ノコでぐにゅーっと溶かし切って作りました。
ハンクルミノーに憧れて
そんな貧乏ルアー少年は社会人となり、釣りから距離を置いていました。
ある日の夕方、ふと京浜運河の水面に出来るシーバスのボイルの水飛沫を見て、心が高ぶるのを抑えられなくなった元ルアー少年。
社会人となり、ルアーくらいは買える余裕も出来たのですが、何故か、「男はだれでも工作好き」のDNAが頭をもたげます。
貧乏が理由ではなく、ルアー作り自体が楽しいのだと改めて思ったのでした。そして、自作ルアーで魚を釣った時の楽しさ。
この頃、巷の書店では、ルアーの作り方の本が数冊出ていました。私も自作力がいくらか進化して、ルアーの表面にアルミホイルを貼る方法を取り入れ始めました。
有名なハンドメイドルアー「ハンクル」の作り方が本に載っていたのを参考にしました。
コーティング剤をケチった結果
ルアーの表面のコーティングはラッカーでドブずけしました。会社へ出かける前にラッカーに浸し、ぶら下げ乾かし、帰宅したら、またどぷっとラッカーに浸し乾かします。
しかし、日用品売り場で買った安いラッカーを使ったのが悪かったか、ボディーが段々、黄色になっていきます。
幸か不幸か、これがいい味出るんですよ。